ダイトウ@チームむかごです。
前回の支援物資納入までのご報告、続きです。
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3月27日(日)
前日に引き続き、支援食品の仕込み作業です。
今日はボランティアスタッフとともに枝元なほみも作業に参加。
昨日仕込んだ雑穀クッキーの生地を焼いていきます。
そこへ、料理家の夏梅美智子さんが狛女組(※)の女性をひきつれ、むかごキッチンに登場。
夏梅先生と狛江の主婦11人がかりで仕込んだ支援食品を持ってきてくださいました。
※こまめ=狛女。 遊び心と想像力豊かな狛江のパワフルな女たち。なんだそうです...→http://komame.comae.net/
積み上げられるタッパウェア...
...夏梅せんせい、これなんですか?
「お惣菜よ。五目煮に高野豆腐♪」
せんせい...支援物資ですよ。常温放置が当たり前の支援物資。これ賞味期限は...?
「まあおいしく食べてもらうなら早いほうがいいわね。3日ってところかしら」
せんせい、だーかーら、しーえーんぶっしー!
賞味期限2週間程度の食品にしてくださいって言ったじゃないですかーっ。
無理だから!それぜったい無理だからっ!...(>Д< ;) ...
...しかし、まだ手作りのお惣菜なんて、食べたくても食べられない避難所がほとんどのはず。
届くものなら届けたい!
だめもとで、セカンドハーベストジャパンの仙台基地の蓜島(はいじま)さんに電話。
賞味期限が3日しかないお惣菜が持ち込まれたんですが...。
「大丈夫、必ず届けます。送ってください!」
おお。何とも頼もしい返事が!
むかごキッチンでは、お惣菜の鮮度が少しでも長持ちするように、小分けにして真空パックし脱酸素剤を封入。
そうこうしているところへ、今度は料理家の高城順子さんが缶入りクッキーの詰め合わせをもって来てくださいました。
缶の中を見せていただいたところ、心と技で作られたお菓子たちがぎっしり。
これは、缶を開封する喜びも味わってもらいたいので、小分けにせず、あえて缶のまま納入することに決定。
高城順子さん提供 缶入りクッキー詰め合わせ
ところで、夏梅美智子さんと高城順子さんとうちの枝元なほみ。
もしかして3人ともNHKの番組「今日の料理」に出演していませんか?
(出演しています。)
この後、私はお会いできなかったのですが、料理家渡辺あきこさんも、支援食品を持ってむかごキッチンに来て下さいました。
渡辺あきこさんも同じくNHK「今日の料理」にも出演されています。
それに今回の支援物資には料理家脇雅世さんのリンゴのコンポートと手作り味噌もあります。
脇雅世さんも同じくNHK「今日の料理」にも...(以下略)
...いったいどんだけ豪華な顔ぶれなんでしょうか。
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3月28日(月)
月曜日は梱包作業です。
週末に料理家の方々から届いた食品や、ボランティアの方とむかごキッチンで仕込んだクッキー類を整理して梱包していきます。
前々回の反省を元に、梱包の仕方も改善しました。
支援物資で賞味期限の短い食品というのはきわめてまれです。
それがトラックに満載の荷物として積み込まれ、中継基地で降ろされ仕分けられて、混乱している避難所へ配布されます。届け先がわかっている宅配便ではありません。どこにどう向かうのかわからない荷物です。ほかの荷物に紛れ込み、放置される可能性は決して低くありません。
そこで、今回から少しでも荷受けと分配をしやすいように、外箱には共通のラベルを貼り、内容と賞味期限をはっきりわかりやすく表示するようにしました。なるべく同種の食品をまとめて箱詰めし、分配しやすいように、適当な数量で分けて梱包しました。
チームむかご提供 おかず味噌
小分けにしたパッケージをばらばらに配布すると、それはそれで内容がわからなくなります。
できる限り全てのパッケージに、調理された料理家の方のお名前、内容、賞味期限を印刷したラベルを作って貼りました。
ブルーベア(http://blue-bear.co.jp/) 小栗さん提供 チョコ&レーズンクッキー
そして、これが今回の無茶振り支援物資、「手作りお惣菜(賞味期限3日!)」の雄姿。
保冷剤も入れたけれど...。
むちゃだよなー。どう考えてもむちゃだよなー。
今回納入した支援物資は以下の内容でした。
武蔵裕子さん
- くるみ小女子煮300g×6袋
脇雅世さん
- ころころりんごコンポート17瓶
- たすけ愛みそ20袋
渡辺あきこさん
- しょうが佃煮40g×26個
夏梅美智子さん+狛女組
- スコーン×55個
- ツナ味噌35g×78袋
- 五目豆300g×26袋
- 高野豆腐と昆布の煮物300gx12袋
- 切り干し大根200g×3袋"
多賀 正子さん
- ど根性味噌(おかず味噌)35g×320個"
ブルーベア 小栗さん
- ニコニコクッキー チョコクッキー40枚レーズンクッキー22枚
チームむかご
- ニコまるクッキー15個×35袋
- (雑穀クッキー10枚+全粒粉クッキー10枚)×13袋
- 野菜味噌(100g)×19袋
横塚美穂さん
- ラスク
- 桜クッキー
高城順子さん
- 南蛮味噌 300g×13
- 煮豆700g×5袋
- クッキー×2缶
鈴木今日子さん
- クッキー 2枚×41袋
- クッキー6枚詰め合わせ×46袋
よっしゃー、できたー!行ってこーい!
セカンドハーベストジャパンのトラックに積み込み
今夜東京を出発し、明日の朝には仙台の中継基地に
積み込みを監督する枝元なほみ
おとなしく積み込まれた無茶振り君
今回荷受けしてくれたセカンドハーベストジャパンの黒澤さん
トラックには外箱から中身がわかるものもいくつかあり、使い捨てカイロなどの生活物資のほかには、大量生産のスナック菓子が何ケースか詰みこまれていました。
生存の保障が危ぶまれる災害被災地に手作りクッキーを送るのは、送る側の自己満足に過ぎないのかもしれません。チームむかご、もしかするとそうとう空気読めてないかもしれません。
しかし、その批判、その失敗を恐れていま手を伸ばせなかったら、取り返しのつかない後悔をすることになるかもしれません。何もできなかったと後悔するより、いま自分たちにできることを考え手を動かしたい。被災したひとたちに手を伸ばしたい。
それにまた、人は生存のためだけに物を食べるのではありません。食事は人間らしい文化的な生活を支える大切な営みでもあるはずです。
いま避難所では緊急避難の時期は終わり、「生活」が始まろうとしています。
わたしたちがいまできることは何だろうか。
常に考え続けていきたいと思います。
横塚美穂さん提供 桜クッキー